2017年9月10日日曜日

第24回西アジア言語研究会(2017/9/10,京都産業大学)

第24回西アジア言語研究会(2017[平成29]年度) 


平成29年度の研究会を,下記の通り行いました。
今年度は,これまでの年末ではなくて9月上旬に変更しました。
今後もご関心のある方の聴講をお待ちしております。

日時: 平成29年9月10日(日) 14:00~17:00
場所: 京都産業大学 第2研究室棟1階会議室


プログラム






 竹内 茂夫 「ヘブライ語聖書第1サムエル記18章6b節に現れる 音楽用語のšālīšîm〜リュートの可能性は?〜」
 森 若葉 「京都大学総合博物館所蔵未公刊粘土板資料−古バビロニア不動産売買文書」
 吉田 和彦 「ヒッタイト語作為動詞についての覚書」

【研究会の趣旨】
 本研究会は,近東地域を中心とした古代諸言語(印欧アナトリア諸語,セム諸語,その他)の個別言語の研究者の小さな集まりです。
 これまで発表において扱われた言語は,印欧アナトリア諸語としてヒッタイト語,象形文字ルウィ語,他の印欧語としてアヴェスタ語,トカラ語,ペルシア語,セム諸語として古典ヘブライ語,フェニキア語,シリア語,アラム語,アッカド語,南アラビア語,その他の言語としてシュメール語,フルリ語です。
  これらの言語を研究されている皆様のご聴講を歓迎いたします。
【世話人】
大城 光正(京都産業大学外国語学部)
竹内 茂夫(京都産業大学文化学部) 

2017年6月18日日曜日

「音楽の日」(2017/6/24,アンスティチュ・フランセ東京)

今年もアンスティチュ・フランセ東京@神楽坂の「音楽の日2017」に出演することになりましたが,昨年までとは違って,夕方になって時間も拡大され,コンサート1時間,その前に古楽のワークショップを1時間行うことになりました。

お時間ありましたらぜひのぞいて見て下さいませ!
Fête de la Musique 2017
🇫🇷
Voyage au temps du baroque La musique au XVIIe siècle. 
Instruments et partitions anciens

24 juin 2017
l’Institut français Tokyo

Shigeo Takeuchi (flûte à bec, guitare baroque, musicologie)
Marie Suga (violon baroque)
Tomoko Ono (hautbois baroque)
Yuriko Yamada (guitare baroque) 
et Rintaro Nishigaki (guitare baroque)

17h00 Atelier
“Voyage au temps du baroque - La musique au XVIIe siècle.
Instruments et partitions anciens”

D. Castello, J. van Eyck, R. Carr, F. Corbetta, F. Barsanti, W. Croft

18h00 Petit concert de la musique ancienne
“Voyage au temps du baroque“

G.B. Fontana, F. Corbetta, J. van Eyck, J. Playford, G.A.Pandolfi Mealli

2017年6月17日土曜日

ファン・エイク《笛の楽園》全143曲演奏の試み(1)(2017/7/8,神山ホール)

ファン・エイク《笛の楽園》全143曲演奏の試み(1)
〜《笛の楽園》に描かれたリコーダー,フェルメールが描くギターによる〜

ミッフィーの生みの親の故ディック・ブルーナ氏が住んでいたオランダ中部の都市ユトレヒト、この地の諸教会にてカリヨン,リコーダー奏者として活躍したのが盲目のファン・エイクです。後に2巻143曲にまとめられた《笛の楽園》(1644,49,56) には,学校でよく使われているものとは違うリコーダーが描かれています。また,焼き物で有名なデルフトにて同時代に活躍した画家フェルメールは「ギターを弾く少女」(1670-2) で現代とは違うギターを描いています。この2つの現代のコピー楽器を使って,《笛の楽園》全143曲を10年ほどかけて全曲演奏を,ギターにて関連する当時の舞曲を演奏する試みの第1回目です。珍しい楽の音をお聴きのがしなく!
日時 2017年7月8日(土) 15時00分(開場14時30分)
会場 京都産業大学神山ホール大ホール
   〒603-8555 京都市北区上賀茂本山 
曲目(予定)
J.ファン・エイク (1590頃-1657)
《笛の楽園 第1巻》より 
〈ダフネ〉〈とんまなサイモン〉〈涙のパヴァーヌ〉〈天にまします我らの父よ〉〈マリアの賛歌〉〈詩篇118〉(2つの版による)

F.コルベッタ (1615頃-81)
D上のパッサメッツォ〜装飾された第2部〜そのコッレンテ〜パッサメッツォのガリアルダ〜そのコッレンテ (1639)
フォリアス (1643,1648)
第5旋法のプレリュード−アルマンド−サラバンド (1648)

A.M.バルトロッティ (17世紀前半-1668以降) 
フォリア(1655)

出演 竹内 茂夫(エイク・リコーダー他,バロック・ギター)
プロフィール
リコーダーを太田光子氏他多数,バロック・ギターを竹内太郎氏他,キタローネ(イタリアン・テオルボ)を佐野健二氏他,16〜17世紀の音楽を笠原雅仁・上野訓子両氏他に師事,多数のレッスンやマスタークラスを受講。17世紀イタリアなどの初期バロック音楽に特化したアンサンブル・パッサメッツォ・アンティーコ主宰,16〜17世紀宗教合唱曲を歌う会メンバー。日本リュート協会会員。京都産業大学文化学部教員。
主催 竹内 茂夫
後援・協力 京都産業大学文化学部
入場料 無料
問合先 竹内 茂夫 atake(あっと)cc.kyoto-su.ac.jp

2017年6月13日火曜日

【音楽文化論】プチ演奏曲目一覧:2016A(春学期)

6/13
♪フランチェスコ・コルベッタ Francesco Corbetta (1615頃-81)
《スペインのギターのためのソナタの戯れ集 第4巻 Varii Scherzi di Sonate per la Chitara Spagnola. Libro Quarto》(1648, ブリュッセル) より
第5旋法のプレリュードPrelud[e] al 5to tuono-アルマンドAlm[and]a-サラバンドSar[a]b[and]a

6/6
♪ジョヴァンニ・ジローラモ・カプスペルガー Giovanni Girolamo Kapsperger (ドイツ名ヨハネス・ヒエロニムス・カプスベルガーJohannes Hieronymus Kapsberger,1580-1651)
《キタローネのラブラチュア集 第1巻 Libro I d'intavolatura di chitar[r]one》 (ヴェネツィア 1604)より 
アルペッジャータArpeggiata

5/30
♪ヤコプ・ファン・エイク Jacob van Eyck (1590頃-1657)
《笛の楽園 第1巻 Der Fluyten Lust-hof Eerste Deel》(2nd ed. 1649) より
〈狂人サイモンMalle Symen〉

5/23
♪エスタンピー〈トリスタンの嘆き~ラ・ロッタ Lamento di Tristan/La rotta〉(14世紀)

5/16
♪ヤコプ・ファン・エイク Jacob van Eyck (1590頃-1657)
《笛の楽園 第1巻 Der Fluyten Lust-hof Eerste Deel》(2nd ed. 1649) より
〈詩篇Psalm 118〉(Euterpeもしくは「第1版」による)

5/9
♪ヤコプ・ファン・エイク Jacob van Eyck(1590頃-1657)
《笛の楽園 第1巻 Der Fluyten Lust-hof Eerste Deel》(2nd ed. 1649) より 
〈ラヴィニョンLavignone〉[クラント]

5/2
♪フランチェスコ・コルベッタ Francesco Corbetta (1615頃-81)
《スペインのギターによる和声の戯れ,興味深い器楽曲から見つけ容易に編曲したもの De gli scherzi armonici trovati, e facilitatí in alcune curiosissime suonate sopra la chitarra spagnuola》(1639、ボローニャ) より 
D上のパッサメッツォPass'e mezo sopra il D
~装飾された第2部Altra parte passegiata
~そのコッレンテSua Corrente
~パッサメッツォのガリアルダGagliarda del Pass'e mezo
~そのコッレンテSua Corrente

4/25
♪フランチェスコ・コルベッタ Francesco Corbetta (1615頃-81)
《スペインのギターによる和声の戯れ,興味深い器楽曲から見つけ容易に編曲したもの De gli scherzi armonici trovati, e facilitatí in alcune curiosissime suonate sopra la chitarra spagnuola》(1639、ボローニャ) より 
ベルガマスコ Bergamasco

4/18
♪ヤコプ・ファン・エイク(1590頃-1657)
《笛の楽園 第1巻 Der Fluyten Lust-hof Eerste Deel》(2nd ed. 1649) より 
〈ダフネが最も美しかった時 Doen Daphne D'over Schoone Maeght〉

4/11
♪ヤコプ・ファン・エイク(1590頃-1657)
《笛の楽園 第1巻 Der Fluyten Lust-hof Eerste Deel》(2nd ed. 1649) より 
〈プレリュードまたは前奏曲 Preludium ofte Voorspel〉
〈天にまします我らの父よ Onse Vader in Hemelrijk〉

2017年4月19日水曜日

【音楽文化論】プチ演奏曲目一覧:2016B(秋学期)

1/14 J・S・バッハ(1685-1750)
《横型フルートのためのソロSolo p[our une] flûte traversière par J. S. Bach》BWV1013より
〈アルマンドAllemande〉

12/22 フランソワ・ル・コック François Le Cocq (18世紀前半)
《ギター曲集Recueil des pieces de guitarre》(1730) より
〈スペインのフォリアFolie d'Espagne〉

12/15 リチャード・ミアーズRichard Meares出版(1717)
《小鳥愛好家の楽しみThe Bird Fancyer's Delight》より 
〈カナリア〉Canary Bird(ヘ長調),
〈紅ヒワ〉Linnet(ハ長調),
〈森ヒバリ〉Woodlark(ニ短調),
〈スズメ〉Sparrow,
〈歌ツグミ〉Throstle

12/8 ジャック・マルタン・オトテール「ル・ロマン」Jacques-Martin Hotteterre ``le Romain'' (1674-1763)
《プレリュードの技法L'Art de Preluder》作品7より 
フリュート・ア・ベックためのプレリュードPreludes pour la Flûte-a-becより 
ト短調(中庸に-中庸に-陽気に)G Mineure (Moderé - Moderé - Gay)

12/1 フランチェスコ・コルベッタFrancesco Corbetta (1615頃-81)
《スペインのギターのためのソナタの戯れ集第4巻Varii Scherzi di Sonate per la Chitara Spagnola》(1648ブリュッセル) より 
第5旋法のプレリュード-アルマンド-サラバンドPrelud[e] al 5to tuono - Alm[and]a - Sar[a]b[and]a

11/24 ヤコプ・ファン・エイクJacob van Eyck (1590頃-1657)
《笛の楽園Der Fluyten Lust-hof》より〈我が愛しのアマリッリAmarilli mia bella〉

11/10 ジョヴァンニ・バッティスタ・スパーディ (?-1609/24)
《段階ごとの上行と下行のパッサッジョの書Libro de passaggi ascendenti, et descendenti di grado per grado》(1624,ヴェネツィア)より 
チプリアーノ・ディ・ローレCipriano di Rore〈別れの時にはAncor che co'l partire〉に基づくパッサッジョ

10/27 ヤコプ・ファン・エイクJacob van Eyck (1590頃-1657)
《笛の楽園Der Fluyten Lust-hof》より
〈朝のシルヴェスターSilvester inde Morgenstont〉

10/20 ジョヴァンニ・バッサーノ (Giovanni Bassano 1558頃-1617)
《モテット,マドリガーレ,フランス風カンツォン集Motetti, madrigali et canzone francese》(1591)より 
〈野も山も早春の装いVestiva i Colli〉に基づくディミニューション

10/13 ジョヴァンニ・バッサーノ (Giovanni Bassano 1558頃-1617)
《モテット,マドリガーレ,フランス風カンツォン集Motetti, madrigali et canzone francese》(1591)より 
〈アヴェ・マリアAve Maria〉に基づくディミニューション

10/6 ヤコプ・ファン・エイクJacob van Eyck(1590頃蘭-1657蘭)
《笛の楽園》より〈詩篇134篇Psalm 134〉

9/29 ヤコプ・ファン・エイクJacob van Eyck(1590頃-1657)
《笛の楽園Der Fluyten Lust-hof》より
〈天にまします我らの父よOnse Vader in Hemelryk〉

2017年4月18日火曜日

【音楽文化論】プチ演奏曲目一覧:2016A(春学期)

7/14 アウレリオ・ヴィルジリアーノ Aurelio Virgiliano (1600頃活躍)
《甘い林檎の木 Il Dolcimelo》より 
横吹きフルート,ヴァイオリン,コルネット,その他の楽器のためのリチェルカーレ Ricercata per Traversa, Violino, Cornetto et altri Instrumenti

7/7 ヤコプ・ファン・エイク Jacob van Eyck (1590頃-1657蘭)
《笛の楽園Der Fluyten Lust-hof》より
〈緑の菩提樹の下でOnder de Linde groene〉

6/30 ヤコプ・ファン・エイク Jacob van Eyck (1590頃-1657蘭)
《笛の楽園Der Fluyten Lust-hof》より
〈緑の菩提樹の下でOnder de Linde groene〉

6/23 アンジェロ・ミケーレ・バルトロッティ Angelo Michele Bartolotti(17世紀前半-1668以降)
《ギター本第2巻Secondo libro di chitarra》 (1655)より 
サラバンドSarabande,ジグGigue

6/16 アンジェロ・ミケーレ・バルトロッティ Angelo Michele Bartolotti(17世紀前半-1668以降)
《ギター本第2巻 Secondo libro di chitarra'》 (1655)〈組曲[ニ長調]〉より 
アルマンドAllemande,クラントCoura[n]te, Suitte [``C'']

6/9 ヤコプ・ファン・エイク (Jacob van Eyck 1590頃-1657)
《笛の楽園Der Fluyten Lust-hof》より
 〈バタリ Batali〉

6/2 ジョヴァンニ・バッサーノ Giovanni Bassano  (1558頃-1617)
《リチェルカーレ,パッサッジョ,カデンツ集``Ricercate, Passaggi et Cadentie''》(1585) より 
リチェルカーレ第4番Ricercata quarta

5/26 ヤコプ・ファン・エイク Jacob van Eyck (1590頃-1657)
《笛の楽園 Der Fluyten Lust-hof》より
〈おお,聖なる幸いなベツレヘムよ O Heyligh zaligh Bethlehem〉

5/19 エスタンピー〈トリスタンの嘆き~ラ・ロッタ Lamento di Tristan - La rotta〉(14世紀)

5/12 フランチェスコ・コルベッタFrancesco Corbetta (1615頃-81)
《スペインのギターのためのソナタの様々な戯れ 第4巻Varii Scherzi di Sonate per la Chitara Spagnola》(1648ブリュッセル) より 
フォリアスFolias

4/28 アンジェロ・ミケーレ・バルトロッティ Angelo Michele Bartolotti(17世紀前半-1668以降)
《ギター本第2巻Secondo libro di chitarra》 (1655)〈組曲[ニ長調]〉より 
プレリュードPrelude, Suitte [``C'']

4/21 ガスパル・サンスGaspar Sanz (17世紀中頃-18世紀初期)
《スペイン・ギター指南~上達までの根本的原理Instrucción de música sobre la guitarra española y método de sus primeros》(1674, 1697) より 
〈カナリオスCanarios〉

4/14 ガスパル・サンスGaspar Sanz (17世紀中頃-18世紀初期)
《スペイン・ギター指南~上達までの根本的原理Instrucción de música sobre la guitarra española y método de sus primeros》(1674, 1697) より 
〈エスパニョレタスEspañoletas〉

4/7 ガスパル・サンスGaspar Sanz (17世紀中頃-18世紀初期)
《スペイン・ギター指南~上達までの根本的原理Instrucción de música sobre la guitarra española y método de sus primeros》(1674, 1697) より 
〈ビリャーノスVillanos〉

2017年3月18日土曜日

「『笛ゼミ』卒業研究集〜2016 (平成 28) 年度〜」作成しました!(2017/3/18)

本日は卒業式です。

今年度のセミ生の卒業研究は力作が揃ったので,
「『笛ゼミ』卒業研究集〜2016 (平成 28) 年度〜」
を作成しました。

11号館1Fロビーの「卒業研究集」置き場?に置きますが,ネットには載せませんので,ご興味のある方はぜひ現物を見に来て下さいませ。

タイトルと私のあとがきを掲載します。

京都産業大学文化学部
「笛ゼミ」卒業研究集
2016 (平成28) 年度

美濃部 勝哉
ジョン・ダンスタプルと英国の甘美な響き
〜Quam pulchra esの考察〜

高橋 小鈴
トルバドゥールとトルヴェールの歌詞から見た西欧中世の世相

呉田 愛里花
クラリネットのルーツを辿る
〜シャリュモーから古代エジプトまで〜

あとがき

 2016年度,初めて卒業研究集を作りました。美濃部くん,高橋さん,呉田さんの3名は,ヨーロッパ基礎演習(旧カリキュラム)でバロック音楽の歴史を9名で学び,その後のヨーロッパ文化演習(旧カリキュラム)IIIでは3名になって中世・ルネサンス音楽の歴史を学びつづけましたが,大変真摯に学び,卒業研究のテーマを決めてからは就職活動の中でもきちんとリサーチを行ってほぼ毎週進捗状況を報告してくれました。その成果をぜひ広く見ていただきたいと思い,今回こうして卒業研究集をまとめました。
 美濃部くんは,合唱団のテノールとしてルネサンスの曲などを歌っていることもあって,音楽文化論という授業で扱った中世末期の大陸にはまだなく「英国の甘美な響き」と言われた3度と6度の和音に興味を持ち,中でも英仏百年戦争(13371453)でジャンヌ・ダルクと戦ったかもしれないダンスタプル作の3声曲Quam pulchra es「あなたは何と美しい」の和音を11つ分析して,「英国の甘美な響き」がいかに効果的に使われていることを考察しました。高橋さんは,中世フランス地域の宮廷や社会に興味を持ち,その宮廷の中で活躍した「吟遊詩人」とも言われる数多くの南仏のトルバドゥール,その後の北仏のトルヴェールの中から数名ずつ取り上げて,詩の主題が一般的に言われている叶うことのない「遠い恋」だけではなくて,十字軍(10961291?)やそれに絡む当時の世相を辛辣に謳った詩も分析して紹介しました。呉田さんは,高校時代吹奏楽部でクラリネットを吹いていたことからその歴史を扱い,現代のクラリネットはリコーダーのような作りのシャリュモーまでしか辿れませんが,それ以外に現代のアラブ地域ではクラリネットのようなシングル・リード楽器に様々な種類があり特に双管の楽器が使われていること,さらにそれは古代エジプトまで遡る非常に古い楽器であること,またアラブからヨーロッパにどのように入ったかについて仮説を立てました。バラエティに富んだ力作揃いです。
 「笛ゼミ」というのは,竹内がヨーロッパ基礎演習の担当することになった2011年に,その中でゼミ生が付けた名前です。その時のゼミ生はたった1名で,その後のヨーロッパ文化演習IIIもずっと1名でした。クラシック・ギターを弾く学生だったので,ゼミでは音楽の歴史を勉強しつつ,コンクールに出るための演奏のレッスンと,音楽文化論の授業やオープンキャンパスなどで演奏実践も行いました。また,「学内で演奏会をしたい」という希望から年末に「笛ゼミ演奏会」を行うことになり,今に続いています。
 現在はコースが変わって歴史文化基礎演習,歴史文化演習IIIとなり,内容も歴史的,文化的側面をより重視して学んでいます。ゼミ学生の中には音楽活動に関わっていない学生もいますので,現在の卒業研究も音楽そのもの以外の周辺的なことまで拡げて,それぞれの関心に応じて進めています。世間で音楽の「常識」とされ,特にマスコミで取り上げられていることの中には,古い音楽の歴史から見ると間違っていることが数多くあります,ゼミや音楽文化論では,それらに気付いてもらいながら,音楽とそれにまつわる様々なことについて,単にまとめるだけでなく常に何らかの問題意識のある卒業研究が作り上げられるように,今後もより良き指導ができればと願っています。